力学 問題

鈴木真二
平成21年 夏学期

  電卓は使用しない。問題は持ち帰ること。解答用紙には解を導く過程も示すように。

問題1
 
1) 1辺a、質量mの一様な正方形板を考える。中心から面に垂直な軸まわりの慣性モーメントを求めよ。
2) 図1のように正方形の1つの角を支持する。指示点まわりの慣性モーメントを求めよ。
3) 図1を単振子とした場合の周期(秒)を求めよ。ただし、重力加速度をgとせよ。



問題2 
図2のように、糸で繋がれた二つの質点を、穴を通して一つを摩擦のない平板上で移動させる。以下の問いに答えよ。

1) 穴から半径Rの位置で、質量mの質点を円運動させるために必要な周回速度を求めよ。
2) 半径Rの位置から、1)より速い速度で質点を回転させるとどのような運動をするか考察せよ。
3) 以下の説明文の[ ]を埋めよ。ただし、解答には導出過程も示すように。なお ' は時間微分を意味する。

 
図3のように座標系を定義し、質量mの質点の半径が
R+r(t)、角度がθ(t)のとき、質量mの質点の位
置をx(t),y(t)で、質量2mの質点の位置をz(t)で
表現すると、
x(t)=[ (1) ]
y(t)=[ (2) ]
z(t)=[ (3) ]

となる。ただし、Rは定数で、糸は弛むことはなく、
質量2mの質点は上下にしか運動しないとする。
これより、両質点の運動エネルギーの和は

T=(1/2)m(x'(t)2+y'(t)2)+(1/2)2mz'(t)=[ (4) ]

として、また重力のポテンシャルエネルギーは質量
2mの質点のみを考えればよく、z=0を基準として

V=[ (5) ]

と、求められる。
ラグランジュ関数はL=T−Vであるから、
ラグランジュ方程式は


と導出できる。ここで2番目の式は角運動量の保存則

m(R+r(t))2θ'(t)=一定

を意味していることに注意。
単位質量あたりの角運動量を

h=(R+r(t))2θ'(t)

として、θ'(t)を消去すると、ラグランジュ方程式は

r''(t)−[ (8) ]/(R+r(t))3[ (9) ]=0

となる。この式の左辺第2項は遠心力の効果を、第
3項は重力の効果を意味している。
上式をr(t)に関して積分すると、

(1/2)r'(t)2[ (10) ][ (11) ]=E(積分定数)

となり、
V*[ (10) ][ (11) ]

とすると

(1/2)r'(t)2=V*−E

となる。左辺は正であるから、右辺が正の範囲で運
動が成立することがわかる。

4) 3)で導いたV*をr(t)の関数として図示し、質点の運動を考察せよ。



問題3
 
1) 半径a、質量mの一様な円板を考える。中心から面に垂直な軸まわりの慣性モーメントを求めよ。
2) 図4のように、円板にテープを巻きつける。テープの端は天井に固定され、円板が回転しながら落下する。
  円板は真下に落下し、重力加速度をgとする。
  以下の説明文の[ ]を埋めよ。ただし、解答には導出過程も示すように。なお ' は時間微分を意味する。

円板の中心の落下速度をv(t)とする。テープを解き
ながら落下するので、円板の回転角速度は[ (1) ]
ある。これより、円板の運動エネルギーは

(1/2)mv(t)2+(1/2)[ (2) ]

とかける。
また、位置エネルギーは落下開始点を基準として


とかける。
両者の和は保存されるので、両者の和をtで微分す
ることにより、

mv'(t)=[ (3) ]g

が得られ、円板は重力加速度があたかも[ (4) ]
あるかのように落下することになる。

3) 同じ質量、同じ半径の円板を同じように落下させる場合、落下速度を低下させるには円板をどのように作れば良いか考察せよ。



問題4
時速100kmで走行する自動車が100mで急停止した。質量1000kgの自動車を質点と考え、質点に作用する
動摩擦係数をμとする。動摩擦力は動摩擦係数に自動車の質量を掛けたものとし、重力加速度を9.8m/s2とする。

1) 動摩擦係数の値を求めよ。
2) 停止に要する時間を求めよ。



問題5

1) 北極点でのフーコーの振子の運動から、コリオリ力を説明せよ。
2) 北緯60度の地点においてフーコー振子の振動面が回転する周期を求めよ。




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